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大阪地方裁判所 昭和55年(わ)288号 判決 1980年10月06日

宣告の日

昭和五五年一〇月六日

裁判所

大阪地方裁判所第一二刑事部三係

裁判官

青木暢茂

検察官

藤村輝子

被告人

本籍

長崎県福江市栄町六番地三

住居

大阪府寝屋川市大利町二一番一五号

職業

歯科医師

氏名

植村昭蔵

昭和三年七月二日生

罪名

所得税法違反

主文

被告人を懲役一年及び罰金一、〇〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判の確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

(罪となるべき事実)

被告人は、大阪府寝屋川市大利町二一番五号において、植村歯科の名称で歯科診療業務を営むものであるが、自己の所得税を免れようと企て、

第一 昭和五一年分の所得金額が四〇、九九九、三一八円で、これに対する所得税額が一六、五二〇、六〇〇円であるのにかかわらず、自費診療収入金の一部を除外し、架空名義の定期預金にするなどの行為により所得を秘匿したうえ、同五二年三月一五日、大阪府枚方市大垣内町二丁目九番九号所在の枚方税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得金額が八、三一五、五三〇円で、これに対する所得税額が二六四、一〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、所得税一六、三五六、五〇〇円を免れ

第二 昭和五二年分の所得金額が五九、四九八、八九四円で、これに対する所得税額が二七、五五七、八〇〇円であるのにかかわらず、前同様の行為により右所得の一部を秘匿したうえ、同五三年三月一五日、前記税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得金額が九、五七五、二七六円で、これに対する算出所得税額が一、四九七、一二〇円であるが、源泉所得税額が一、六四二、〇六七円であったので差引納税額はなく、還付を受ける税額が一四四、九四七円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税二七、七〇二、七四七円を免れ

たものである。

(適用した罰条)

所得税法二三八条、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条二項、一八条、二五条一項

昭和五五年一〇月二一日

裁判所書記官 寺田行廣

(裁判官 青木暢茂)

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